ペットと寝床を共有することは、最近に始まったことではありません。犬の飼い主何世紀も前からやっていることです。
動物と一緒に眠ることにメリットがあると捉えている文化があることはご存知でしょうか?例えば、オーストラリアのアボリジニは、寒い夜、毛皮のある動物のそばで眠り、暖を取り、悪霊から身を守ったといいます。
カンザス州立大学獣医学部の臨床准教授であるスーザン・ネルソンは、”寒い夜にはペットが暖かくしてくれる”とEveryday Healthに語っています。
ペットを飼っている人なら、ペットとの触れ合いほど素晴らしいものはないと思うでしょう。 なので、たくさんの飼い主がペットを自分のベッドで寝かせ、家族のように接しているのは当然といえば当然なのです。
研究者達の説明によると、多くの飼い主がペット一緒に寝るのは、精神衛生への貢献など、メリットがデメリットを上回るからだそうです。 正直なところ、無条件の愛による暖かい添い寝に勝るものはありません。中には、一緒に眠るために愛情を注ぐ人もいます。
では、どんなデメリットがあるのでしょうか?ベッドを共有するのは好ましくないという、そんな問題が出回っているのでしょうか?
獣医によると、これにははっきりとした答えはないそうです。 そのため、衛生面や睡眠の質など、飼い主とペットの関係によって、相対的に判断する必要があります。
衛生・健康への懸念
ペットの健康と境界線
最も欠かせない質問を自分自身に投げかけることは重要です。あなたのペットは健康ですか?
ペットの健康とは、ノミやダニなどの寄生虫や病気がないことです。 さらに、最新のワクチン接種、定期的な寄生虫の駆除、獣医による定期検診を受けていることなどです。
もし、これら一つも該当するものがない場合は、ペットをベッドに入れることを考え直した方がいいかもしれません。
獣医学の専門家であるジェーン・ヘラー博士によると、猫や犬はさまざまな細菌や寄生虫を持っており、その一部は人間に移る可能性があるそうです。
ペットとの触れ合いは、飼い主にとって眠る前の習慣です。 ペットが清潔で健康であることを知らないまま、飼い主やペットが不安になることは、避けたいものです。
ペットが人間に病気をうつすことは稀である、珍しいという意見もあるかもしれません。 それでも、珍しいからと言って、絶対に起こらないというわけではありません。
ヒトと動物の研究によると、ベッドシェアやキス、舐め合いなどによるペットと飼い主の密接な接触によって人獣共通感染症病原体が感染するリスクは実際にあり、生命を脅かす感染症も記録されています。
1977年から1998年にかけて、23例のヒトのペストが記録されています。 これらはすべて猫を飼っている人のケースで、悲しいことに、このうち5件は死亡しています。
1985年、英国の60歳の女性が、飼い犬に定期的にキスをしていることを認め、髄膜炎と診断されました。
健康や衛生のために、ペットとは線引きする必要があるかもしれません。 ヘラー博士によると、これらを軽減する簡単な方法は、ペットがベッドの端で別の毛布を使って寝るようにしつけることだそうです。
リスクを最小化する
健康でなければならないのは、ペットだけではありません。
免疫力が低下している場合は、ペットとの添い寝は避けたほうがよさそうです。
幼い子供や妊娠中の女性は、ペットとベッドを共にしたり、定期的にキスをしたりすることを控えるようにしましょう。 ペットが舐めた部分、特に開いた傷口は、すぐに石鹸と水で洗う必要があります。
アレルギーがあっても、どうしても抱きつきたくなったら?ペットの毛やフケでアレルギー反応がありますか? 正直なところ、アレルギーの種類や重さによって異なります。
まずは主治医に相談するのが一番でしょう。 フロリダ大学獣医学部の臨床助教授であるエイミー・ストーン博士は、必ず医師に相談することを勧めています。
彼女は犬や猫にアレルギーがあるものの、グレイハウンドを飼っていて一緒に寝ています。 ベッドに毛玉取り器をかけて毛を取り除くことで、くしゃみを抑えているそうです。
睡眠の分断
動物の睡眠サイクルは、私たちの睡眠パターンとは異なり、睡眠の質に影響を与えます。 ご存知のように、ペットは動いたり、吠えたり(いびきもかきます)するため、睡眠が妨げられます。
犬は多相性睡眠で、一晩に3回ほど睡眠と覚醒のサイクルを繰り返します。 猫は夜行性なので、一般的に私たちが寝ている間に活発になります。
私たち人間は、24時間周期で1回しか眠らない単相性睡眠です。
犬種によって、睡眠パターンが異なる場合があることを頭に入れておいてください。 American Kennel Club’sの獣医学主任であるジェリー・クラインは、生まれながらの番犬は、音や異常な動きに対して警戒心を持ち続ける傾向があると述べています。
Mayo Clinicの調査によると、ペットの飼い主は、自分のペットが睡眠に特に影響を与えないか、またはより安眠にしてくれると考えているようです。 41%の人が、ペットのおかげでより良いな睡眠が得られるかもしれないと回答しています。
つまり、睡眠の断片化は相対的なものなのです。愛犬との寝やすさや、環境とそれに対する反応、さらには犬種によっても変わってきます。
アドバイス
結局のところ、小さなことが気にならず、飼い主とペットの体調が万全であれば、何も恐れることはありません。
また、清潔な睡眠環境を確保するために、取り外し可能なアウターカバーで簡単に洗濯でき、内側の防水カバーでマットレスを保護し、ダニを寄せ付けないエコサ・マットレスを使用することを考えてみてはどうでしょうか?