親になることは、誰にとっても決して容易なことではありません。生まれたばかりの子どもの世話をしなければならないのは当然として、睡眠にも大きな影響があります。
乳幼児との添い寝は、意見が分かれる話題です。誓う親もいれば、検討もしない親もいます。
添い寝を試すかどうかは、親の好みによります。添い寝をどのように捉えていいのか、メリットとデメリットを比較してみましょう。
添い寝とは?
まず最初に、添い寝とは何かを理解する必要があります。それには、ルームシェアリングとベッドシェアリングの2種類があります。
ルームシェアリング
子どもと部屋を共有するのは添い寝とは言えないと言う人もいるかもしれませんが、厳密には添い寝です。
ルームシェアリングとは、子どもが自分やパートナーと同じ部屋で寝ることです。子どもは自分のベッドやベビーベッドで寝て、両親は自分のベッドで寝ます。
サイドカー・アレンジメントは、赤ちゃんを自分のベッドで寝かせながら添い寝をするもう一つの方法です。サイドカー・アレンジメントは、バシネットやベビーベッドの手すりの片側が取り外されており、その側がベッドの真横になるようになっています。これがより安全な添い寝の方法です。
ベッドシェアリング
ベッドシェアリングは、最も一般的で有名な添い寝の形態です。先に述べたように、これは非常に意見の分かれる問題で、どちらの側にも常に強い意見があります。
ベッドシェアリングとは、子どもや幼児が親と同じベッドで寝ることを意味します。
添い寝のメリット
賛否両論あるテーマではありますが、添い寝は両親と乳児にメリットをもたらすため、今日でも人気があります。以下は、子どもとの添い寝(ベッドシェアリング)を支持する親がいる理由の一部です。
ベッドシェアリングは便利
ほとんどの親は、泣いている赤ちゃんの世話をするために一晩中目を覚まします。子どもが自分の部屋や別のベッドにいる場合は、子どもの要求に応えるためにベッドから出る必要があります。
添い寝の場合、子どもは常に手の届くところにいるので、夜中にあやしたり、授乳したりすることが容易になります。
新生児と添い寝をする母親は、睡眠障害が少ないため、よく眠れ、長く眠れると報告しています。
母乳育児を促進する
授乳は最高です。新生児の授乳方法は母乳だけではありませんが、授乳が可能な人にとっては素晴らしいことです。
添い寝をすることで、自分の睡眠を完全に妨げることなく、簡単に授乳することができます。
これにより、2~3時間ごとに必要なときに授乳できるという健康的なパターンが生まれます。
母と子の生理的なつながり
母親と新生児の間には、常に自然な生理的つながりがあります。母親の子宮の中で9ヶ月間過ごす、母親の呼吸と心臓の鼓動は、生まれたばかりの子どもにとって馴染みのある曲です。
同じベッドにいたり、抱っこして眠ることで、赤ちゃんは慣れ親しんだ鼓動や呼吸音を聞くことができ、安心して眠ることができるのです。
また、生理的なつながりがママと子どものストレスを軽減するという研究結果もあります。肌と肌が触れ合うことで、このつながりをさらに深めることができます。
ベッドを共有することは心理的にプラスの効果がある
子どもが親のベッドで寝ることで、子どもと親の間に関係が育まれます。寝ている間も一緒に過ごす時間が増えることで、お互いに固い絆と親近感が生まれます。
また、いくつかの研究では、添い寝をしている親は、子どもとより良い感情的な関係を作り、育てることができることが明らかになっています。
心理的なつながりだけでなく、夜にベッドから出るという行動が減ることで、親は翌朝、少しすっきりとした気分で目覚めることができ、頭も冴えてきます。
添い寝の欠点は?
子どもとベッドを共有することには多くのメリットがある一方で、リスクや合併症の可能性もあります。ここでは、新生児とのベッド共有を拒否する親がいる理由をご紹介します。
SIDSやその他の合併症のリスクについて
米国小児科学会(AAP)は、乳幼児突然死症候群(通称SIDS)の危険性があるため子どもとの添い寝を控えるよう警告しています。
SIDSとは、生後12ヶ月未満の乳幼児が原因不明のまま突然死することを指します。リスクとしては、オーバーヒート、うつ伏せ(腹這い)で寝る、妊娠後期に母親が喫煙していた、出産前のケアが遅かった、あるいは全くケアしなかった、などが挙げられます。
もうひとつのリスクは、子どもの窒息事故です。大人用の寝具は乳幼児が寝ることを想定していません。また、柔らかすぎる寝具は乳幼児の気道を狭め、酸素不足に陥る可能性があります。
最後に、子どもが怪我をする危険性もあります。特に、両親がベッドの中でよく動いたり、寝返りを打ったりする場合です。このリスクは、両親が小さめのベッドで寝ている場合には、子どもがベッドの端の近くにいるとベッドから落ちてしまう可能性があるため、さらに高まります。
睡眠中の注意散漫
良質な睡眠のためには、安らかな眠りを妨げることのないような睡眠環境を整えることが大切です。同じベッドで子どもと一緒に寝ると、隣にいる赤ちゃんを常に意識して警戒することになりかねません。
大人用のベッドに乳幼児を寝かせると、寝るときの姿勢や動きに気を使うようになり、寝るときの自由が奪われてしまいます。
過剰な依存
親子の絆が強いのは悪いことではありませんが、小さな子どもに近づきすぎると、親子の間に過剰な依存関係が生まれてしまいます。
夜間に家族のベッドで寝ている赤ちゃんは、ベビーベッドやバシネットではなく、家族のベッドが自分の寝床になっているかもしれませんが、これは昼間には問題になります。新生児は、大人よりもかなり多くの睡眠を必要とします。家族のベッドでなければ、そして両親のそばでなければ、よく眠れないかもしれません。
乳幼児は分離不安を感じやすく、添い寝をしている親に過度に依存してしまい、長い目で見ると面倒なことになります。
添い寝の代わりになるものはありますか?
どうしても新生児とベッドを共有したい場合は、ベッドシェアのリスクを減らすためにできる限りの努力をしてください。
今でもバシネットを近くに置いて、夜中に寝ている赤ちゃんを移動させる親もいます。一方で、子ども、特に年長の子どもは自分の部屋で寝かせたいと考える親もいます。また、自分の部屋で寝かせることができるのであれば、乳幼児を見守る介護者を雇うことを選ぶ親もいます。そうすることで、安眠することができるのです。
では、何がベストなのか?
添い寝をすべきかどうかは、絶対的な答えはなく、家族の中で決めていくものです。ベッドシェアをすべきか、単に子どもと部屋を共有すべきかを見極める方法があるとすれば、それは自分で試してみて、自分にとって何がベストかを見極めることです。