世界的に大流行している新型コロナウイルスは、ストレスや精神的な健康症状の増加をもたらし、健康で活動的になろうとする私たちの努力を損ない、在宅勤務などの様々な対応を含み、私たちの生活様式を変えてしまいました。これらはすべて、私たちの睡眠の質、睡眠習慣、睡眠から得られる休息と若返りの質に関係しています。私たちは、シドニーの予防医療開業医であるケビン・チェン先生に話を聞き、コロナ禍でのあなたに重要なメッセージを伝えています。
睡眠が身体的にも精神的にも重要であることは、多くの人が知っています。睡眠不足は糖尿病、心臓病、肥満、認知症、感染症のリスクを高めます。疲労、イライラ、認知機能障害、不安、抑うつ状態につながる、または悪化させる可能性があります。睡眠時間が一貫して7時間未満の人は、8時間以上の睡眠時間を確保している人に比べて、死亡リスクが10％高くなります。このような事実にもかかわらず、オーストラリア人の約2人に1人は、十分な質の高い睡眠をとることが課題となっています。
新型コロナウイルス感染症は、私たちがどのように休息をついているのか、そして今は良い睡眠が取れているのか、ということに鋭く迫りました。興味深いことに、この期間には2つの側面があります。オーストラリア睡眠健康財団は、人口の40％が睡眠が悪化していると報告しています。このカテゴリの多くの人にとって、不眠症は、アルコール摂取量の増加、夜更かし、より多くのスクリーンタイム、より大きなストレスや心配事が原因となっています。しかし、同じ調査では、新型コロナウイルス感染症の流行前に睡眠の問題を抱えていた人の42％が実際に睡眠を改善していたことがわかりました。
コロナ禍の睡眠状況の良し悪しは混在しています。一部の人はよく眠れていますが、多くの人は人生で初めて睡眠問題に悩まされています。より良い睡眠のための推奨事項は、他のブログでも紹介されていますが、開業医としての20年以上の経験とテストなども参考にしてください。
- 睡眠時間、就寝時間を確保し、数時間前からカフェインを取らない、画面を見ないようにし、糖分・アルコール・鎮静剤を制限してください。
- ヨガをする、太極拳をする、本を読む、音楽を聴く、散歩に行く、ダンスや歌を歌う、友人に会う、問題を他の人に話してみるなど、できる限りのストレス管理をしてください。
- 毎日の運動、屋外での活動、社会生活など、日中にエネルギーを消費をしてください。
- マインドフルネス、瞑想、祈り、リラクゼーションセラピーを実践して、心と体の両方をリラックスさせてから眠りについてください。
新型コロナウイルス感染症の長期的な影響
インフルエンザや新型コロナウイルスの感染リスクに備え、できるだけ健康に過ごすためにも睡眠は重要です。新型コロナウイルスは呼吸器系だけでなく、多系統の病気であることが明らかになっています。長期コロナ感染症という言葉がありますが、これは脳神経衰弱症、血栓症、心臓病、頭痛、息切れ、腸の症状、抜け毛などの初期感染後の症状が数週間から数ヶ月間続くことを意味しています。重要なのは、睡眠不足はこれらの症状のリスクを高め、他の慢性的な健康状態の管理がうまくいかず、感染してしまうと新型コロナウイルス感染症の重症度が高くなってしまうということです。
誰もができるだけ多くの質の高い睡眠を得ることが重要です。 そうすることで、風邪のリスクが 4 倍減少し、新型コロナウイルス感染のリスクの減少が想定されます。また、新型コロナウイルスに感染している間に風邪やインフルエンザにかかるのは避けたいものです。現在オーストラリアでは順調に推移していますが、国境の再開放により第二次、第三次感染のリスクが高まりますので、現在の感染率に関わらず、中長期的に健康的な生活習慣を取り入れる必要があります。
睡眠の問題で悩んでいる人は、かかりつけの医師に相談したり、Sleep Health Foundationやosana.careのリソースをチェックしてみましょう。
チェン博士はオーストラリアで研修を受けた開業医で、慢性疾患の管理と統合的なケアを専門としています。オーストラリア、香港、ロンドン、アフリカで医師として臨床と非臨床の役割を担ってきました。また、マッキンゼーやボストンコンサルティンググループで国際的な企業にアドバイスを提供した経験もあります。彼は、シドニー、ニューサウスウェールズ州に拠点を置く総合診療所法人Osanaの創設者でもあります。