最近は一緒に働いている人のペースに遅れないよう、作業は非常に速いペースで進め、クリエイティブな問題解決方法や即効性のあるソリューションが必要とされます。
職場にクリエイティブなソリューションや革新的でフレッシュな技術を導入することで、クオリティーの高いタスクや仕事を成し遂げることができます。
しかし、仕事の忙しさから睡眠時間が短くなることも多く、睡眠不足が人の創造力に影響を与えることも少なくありません。今回は、睡眠が創造力に与える影響と、その影響を乗り越える方法について見ていきましょう。
私たちが眠っている間に何が起こっているのか?
睡眠不足がクリエイティブな作業に及ぼす影響について深く考える前に、睡眠の段階、特にレム睡眠(急速眼球運動)とノンレム睡眠(NREM睡眠)に立ち戻りましょう。
ノンレム睡眠は、睡眠サイクルの初期段階で、心拍数と体温を下げ、体が細胞レベルで修復される深い眠りの段階に備える時間です。
レム睡眠は、体が固定され、脳の神経細胞が活性化されるフェーズです。私たちの脳の活動のほとんどはレム睡眠のフェーズで行われています。
しかし、レム睡眠のフェーズは、完全に眠りに落ちるサイクルの後半にしか起こりません。そのため、十分な睡眠がとれていないと、クリエイティビティーの生産や思考処理がうまくいかないのです。
質の高い睡眠をとり、体が睡眠段階を完全に循環させると、創造的なプロセスが報われ、記憶の定着と保持がよくなり、再起動するのを助けます。脳をリフレッシュしてクリエイティブな思考を育み、脳細胞をよりよく再生させることができるのです。
睡眠が創造力にもたらす効果
十分な睡眠時間を確保し、良い睡眠パターンを確立することは、クリエイティブなプロセスや仕事に対する意欲に多くのメリットをもたらします。以下がその例です。
十分な睡眠は情緒の安定を促す
睡眠不足のせいで、一日の大半をイライラしたり、不機嫌に過ごしてしまうという経験がありませんか?睡眠不足になったときにそんなふうに過ごしてしまうこと非常に理解しやすいものです。
十分な睡眠時間を確保することで、翌日の気分をよりよくさせることができます。
ストレスの多い状況下でも、頭がクリアになり、自分の感情を把握しやすくなります。
睡眠の質を良くすることは、気持ちの整理に良いだけではありません。
よく眠れる人は、メンタルヘルスにも良い影響を感じられます。
睡眠の個人的なプラス効果以上に、人との交流、特に仲間との交流がうまくいくようになるのです。共同作業がしやすくなり、他人との関わりをより管理しやすくなります。
睡眠をしっかりとることで、よりよい思考になる
使い切ると疲れる体の他の部分と同じように、脳もまた、疲れを抱えているのです。
ユニークでクリエイティブなアイデアを得るために脳の奥深くまで潜り考えるのは大変な作業ですが、だからこそ、頭もたくさん休ませる必要があるのです。
睡眠をとることで、脳がリフレッシュし、新たな一日を迎えることができるため、クリエイティブな発想が育まれます。
先述の通り、記憶の定着は睡眠中に行われ、良い睡眠をとればとるほど、起きている時間に考えたことを思い出しやすくなるのです。
より良い解決策を導き出す
レム睡眠中に脳の活動が高まることは説明しましたが、脳の「老廃物処理」によって、学習に不可欠でない思考や脳のプロセスが一掃されることで、さらに活動が高まるのです。
レム睡眠中には、学習・記憶能力、問題解決能力、集中力、全体的な気分などが徐々に向上していくのです。
これらはすべて、私たちのクリエイティブな思考を構築するために重要な役割を果たしています。
創造力を育む睡眠のヒント
睡眠時間を設定する
ヒントの一つは、睡眠時間を設定し、決められた睡眠時間と起床時間をきちんと守ることです。
一貫して同じ時間に寝起きすることで、良い睡眠パターンを確立し、睡眠の質を高めることができます。
すぐに寝付くことは難しいかもしれませんが、練習すれば習得できますし、時間通りに眠る習慣も自然に身につきます。
寝る前にコンセントを抜く
夜、なかなか眠れないという人がいるのは、デジタル機器の画面に常に触れていることが原因の一つです。これは、これらの機器から発せられるブルーライトが、メラトニンの生成を抑制するためです。
ブルーライトが睡眠に与える影響はすでに知られていますが、コンテンツを消費する過程で、脳が処理する情報量が増えていることには気づかないことが多いのです。
新しい情報を得ることは悪いことではありませんが、代わりに睡眠不足になってしまっては本末転倒です。
エクササイズ
定期的な運動やエクササイズは、健康や身体に良いだけでなく、クリエイティブな思考にも良い影響を与えます。
常に考えている脳を休ませることは、運動することのメリットの1つです。
頭を休ませることで、直後から新鮮な思考ができるようになるのです。
同様に体を動かした後の血液循環も、脳に多くの酸素を循環させ、よりクリエイティブな思考やアイデアを促進させます。
就寝前のアルコール、カフェイン摂取を控える
カフェインが覚醒を促すのは周知の事実ですが、十分な睡眠時間を確保しようとしているときにカフェインを摂取することは一番良くないことです。
でも、お酒はどうでしょう?ほろ酔いの方が寝付きやすいと思うかもしれませんが、それは部分的に正しいと言えます。お酒を飲むと眠りにつきやすいのですが、睡眠の質は同じではありません。
アルコールの影響を受けていると、睡眠サイクルが狂ってしまい、睡眠の効果が得られないばかりか、翌日二日酔いで目が覚めてしまいます。