詩人から一般人まで、あらゆる分野の人々にとって、思っていること書き出したりや日記をつけることは表現の一つとされてきました。アーティストがキャンバスに絵を描くのと同じように、自分の感情を物理的に表現することができるのです。
自分の考えを書き留めたのはいつですか?人は本来、社会的な存在であり、友人や家族と話すことで自分を表現することができます。人によっては、それで十分な場合もあります。でも、なかなか言えないことがあったり、他の方法で自分を表現する必要を感じている人もいるはずです。
ジャーナリング、または表現力豊かな文章は、話すことが難しいと思えるときに、気持ちや考えを伝えるための一つの方法です。誰もが口頭で自分を表現できるわけではありません。それに対して書くことは効果的なツールになります。
ジャーナル(日誌)をつけることは、昔は一般的な趣味であり、君主や指導者、そして一般市民も、毎日ではないにしても、定期的に日常の出来事やストレスのかかる出来事について書き出していました。写真やビデオにアクセスする前の時代にとっては記録と記憶を残すための方法だったのです。
最近、ソーシャルメディア上で、ジャーナリングが人生を変えたと言う人をたくさん見かけます。
しかし、どのようにでしょうか?
社会心理学の先導者であるジェームズ・ペネベーカー博士によると、ジャーナリングは心理療法の一種として、ネガティブな考えやトラウマとなる体験を処理するのに役立つそうです。ペネベイカー博士によると、書くことは心の豊かさとバランスにつながるそうです。
ジャーナリングを始めるのが億劫だという人もいるでしょう。それはおそらく、自分自身のことを考えなければいけなく、一人で自分の考えと向き合うことになり、公園を歩くようなものではないことだからでしょう。しかし、自分自身をよりよく理解するのに役立ちます。
書くときに少し自意識過剰に感じるかもしれません。ジャーナルをつけることの良い点は、自分以外の誰も読む必要がないことです。
もしまだジャーナルを書くことに躊躇しているのなら、ここにあるいくつかのポジティブな要素が、考えを変えてくれるかもしれません。
メンタルヘルスに良い
私たちの身体の健康が、良い食事と定期的な運動によってもたらされるのと同じように、ジャーナリングは心のための有酸素運動のようなものです。
私たちは日常生活の中で、大切な人には言いたくないようなストレスフルな瞬間や出来事を経験することがありますし、それを表現する言葉を探すのに苦労することもあります。
好きか嫌いかにかかわらず、私たちはソーシャルメディアとコネクティビティの時代に生きています。皮肉なことに、その傾向はストレスレベルを高め、10代から若年層が経験するうつ病の症状がより多くなることにつながりました。
精神疾患の症例は増加し、ソーシャルメディアの成長により物理的な接触が少なくなっており、このためマインドフルネスの必要性が高まっています。
ジャーナリングは、ネガティブな感情を理解し、問題解決に取り組むのに役立ちます。それとは 別に、書くことで自分自身を中心に置くことができ、数日後に読み返すと、違った視点から物事を見ることができるかもしれません。
そのような出来事や記憶を回顧することで、その瞬間に自分がどう感じたかをより深く理解し、その経験から学ぶことができるのです。
“感謝ジャーナリング”を始めることは、傷ついた感情を前向きな行動に向けるのに良い方法です。
これは、通常の日記とは少し違います。大小にかかわらず、人生のすべての良いことを思い出すために、少なくとも3つか4つの感謝していることをリストアップします。
感謝の気持ちを習慣化することで、物事の明るい面を見るように心が鍛えられ、ひょっとしたら人生観が変わるかもしれません。
ストレスマネジメントの一種
ストレスは、精神的・感情的なマイナス面だけでなく、免疫力の低下や血圧の上昇など、身体にも影響を及ぼします。
ストレスは、年齢、性別、経済状態に関係なく、誰にでも起こるものです。ストレス要因から身を守る方法を見つけることは、心の健康を保つ上で大きな意味を持ちます。
ジャーナリングのメリットの1つは、何がストレスになっているのかを認識できることです。私たちは、一歩下がって、本当に自分の問題に集中するまで、何に悩んでいるのか気づかないかもしれませんが、それによってストレスが解消されることがあります。
自分がなぜモヤモヤしたり、イライラしたりするのかを特定することで、そのような状況や人からも遠ざかったり、ストレスに対処するための行動をとったりすることができます。これらのトリガーを知ることで、今後このようなネガティブな感情から身を守ることができるようになります。
確かに、ストレスの原因を特定するのは難しいことです。一般的な原因は簡単に特定できるかもしれませんが、多くの場合、不安や心配を感じる微妙な理由があるものです。場合によっては、目立たないものの方が頑固になりがちです。
自分の考えを書き出すことで、何に悩んでいるのかにつながるパターンを発見することができます。そのため、悩みの深い理由を見つけ、行動することができます。
難しい感情や、トラウマになるような出来事に直面したとき、ジャーナルに記録することで心と体の負担を和らげることができます。時間は最大の癒しかもしれませんが、自分の気持ちを書くことは、魂に良いお茶を入れるようなものです。
ストレスレベルが下がると、精神面だけでなく、身体面でも調子がよくなります。例えば、眠りやすくなったり、一般的に落ち着いてリラックスできるようになります。
ジャーナリングのその他のメリット
ジャーナリングの主なメリットはストレスの軽減ですが、役に立つことが他にもあることをご存知ですか?
まず、ジャーナリングは自分自身を表現するのにより役立ちます。日常的に自分の気持ちを書くことで、自分の考えを効率的に伝えるための言葉やフレーズを学ぶことができるのです。
自己表現ができるようになると、自信を持って他者とはっきり話すこともできるようになり、結果として友人や家族との関係も良くなります。これは、充実した人生を送るために重要な、あなたの感情的知性と呼ばれるものです。
人間関係の改善といえば、感謝ジャーナリングをすることで、人生の大小にかかわらず、良いものを大切にすることも学べます。
書くという機械的な行為が記憶の保持を向上させるという研究結果もあり、ジャーナリングは学生や社会人にとっても有効な趣味の一つです。
ジャーナリングを通して自分を見つめ直すことのもう一つの効果は、その過程で自分の考えや感情をよりよく理解できるようになり、創造性が高まることです。実際、フリーダ・カーロは詳細なジャーナルを付けていたことで知られています。
書き留める
どんな趣味や習慣も始めるのは難しいものですが、ジャーナリングも例外ではありません。成功させるためには、努力と自己実現が必要です。中には条件が多すぎると感じる人もいます。
しかし、ジャーナリングには、間違いなくやる価値があります。
自分の思考過程や感情について新しい洞察を得ながら、ストレスや不安を軽減することは、非常に貴重です。他のメリットを考慮しなくても、ジャーナリングをすることは信じられないほど価値があると言えます。
人生は時に厳しく、手に負えないこともあります。落ち込んだり、圧倒されたりすることは、弱さの表れではなく、誰もが経験することです。ジャーナリングをすることで、ほんの少しでも負担を軽くすることができます。